1月16日の東京ラカン塾精神分析セミネールにおいては,Lacan の Séminaire XI 『精神分析の四つの基礎概念』
第 I 章 「破門」,ならびに,Lacan が Ecole pratique des Hautes Etudes の紀要のために1965年に書いた要約を解説しました.
精神分析の基礎に関する問いを問うためには,「Freud が我れらに任せた場のなかに実在 [ le réel ] という断崖を回復させる」ことが必要である,と Lacan は言っています.なぜなら,精神分析の基礎は,実在としての主体の存在の真理の現象学的構造に存するからです.
主体の構造は,存在の topologie として捉えられます.そして,無意識,反復,転移,本能という Freud 的な精神分析の四つの基礎概念は,存在の topologie において統一的に把握されます.
精神分析の臨床実践に関しては,その原動力としての精神分析家の欲望の問題が問われねばなりません.
Lacan が「精神分析家の欲望」と名づけるものは,精神分析の実践のなかに位置づけられる限りでの他 A の欲望にほかなりません.
精神分析の終わりにおいて分析者 analysant が分析家 analyste に成り得るためには,「教育分析は,欲望が分析家の欲望と成るよう導く役目をする」のでなければなりません.
分析家の欲望の問題は,「無意識的欲望は他 A の欲望である」という Lacan の基本命題のもとで,異状 [ aliénation ] と分離 [ séparation ] の拍動の時間性の構造において思考されて行くことになります.
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