Jacques Lacan, 1975年4月15日(録音資料へリンク):
誰かが... そいつは最高純度のたわけだが... 「ラカン理論は死んだ」と言ったそうだ.まださほど死んじゃいない.将来,垢だらけで死ぬことになるだろうが.明らかに彼はわたしと同意見ではない.彼は「心的現実」について語る連中のなかまだ.わたしは何であれそんな用語で呼んだりしない.「心」という語を使うのは避けるのが常識なのだから.そんなことをすれば,とんでもない困難が生ずる.無数の想定を伴う.あらゆることを想定する.ともあれ,神を想定する.神がいなければ,心はどこにあるというのだ?神が,さらに,心を持つものとして我々をわざわざ創造しなかったなら?あらゆる心理学はそのような想定を除外し得ない.わたしがしているのは,「心的現実」ではなく,作用的現実について語ることだ.単純なことばが,分析においては作用する.勿論,何らかの限界を以てではあるが.しかし,ことばは作用する,ということは確かだ.さもなくば,「ラカン理論は死んだ」と言った先ほどのたわけが分析家であり続けることはできない.「心的現実」を信ずる者らのことばさえ,作用するのだ.
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