2016年秋の特別企画
Workshop de l’École lacanienne de Tokyo – Retour à Lacan
東京ラカン塾ワークショップ – ラカンへの回帰
Lacan について,難解だから,フランス語が読めないからと言って,英語や日本語の翻訳や解説を読んでいるだけでは,本当に Lacan を読むことはできません.そも,翻訳者や解説者の大多数は,みづから精神分析を経験していないので,Lacan が何について語ろうとしているのかを身をもって把握してはいません.実際,既成の翻訳書や解説書には,誤訳や無理解が多数見出されます.また,Lacan が用いるフランス語表現に含まれる本当の意義を訳文から読み取ることは,そもそも不可能です.
確かに,Lacan のテクストは,フランス人にとってさえ理解困難であり,その読解には多大な努力が必要です.また,日本語を母国語とする者がフランス語を習得するにも,それなりの努力が必要です.しかし,努力を惜しんでいては,Lacan を本当に理解することは,いつまでたってもできません.
そこで,東京ラカン塾では,Lacan のテクストを読み解く訓練の機会を,いわゆる workshop の形式で提供したいと思います.
参加者数は 10 - 20 人程度に限ります.参加資格制限はありません.
参加者のうちから 3 - 4 人が,皆の前で,実際に Lacan のテクストの一節の読解を試みます.同時にわたしが適宜,助言や解説を提供しつつ,読解作業をお手伝いします.
ただ,「フランス語原文を読む」と限定すると,参加可能な人の数が非常に限られてしまうでしょう.今回は,ですから,邦訳や英訳で読むということでもかまいません.勿論,フランス語原文を読むのが最も望ましいのですが.
Lacan のテクストのどの一節を読むかは,各人の選択にまかせます.適当な一節を選び出すのが困難であれば,わたしが助言します.
ひとりの読解作業に 60 - 90分程度かけることを想定しています.その時間でどれほどの量の文章を読むことができるかは,当該箇所の内容次第です.たった一行でも何時間もかかるかもしれません.
この
workshop を開催するのは,本年10月後半に東京ラカン塾精神分析セミネール 2016-2017年度を開始する少し前の一日とします.多分,日曜日とするのが皆さん,都合をつけやすいでしょう.暫定的に10月16日とします.時間も暫定的に10時から17時までとします.しかし,日時は参加希望者の都合によって変更することもあり得ます.
場所は,文京シビックセンターまたは文京区民センター内の会議室のうちいづれかとなるでしょう.
参加を希望する方は,小笠原晋也へ御連絡ください :
ogswrs@gmail.com
申込の際,ほかの参加者の参考となるよう自分の読解作業過程を提供してもよいかどうかを,書き添えてください.
参加費をいくらにするかは未定です.借りるべき部屋の大きさは,参加希望者の総数しだいですから.ともあれ,会場費と資料コピー費を合わせて,高くてもせいぜい 1000円程度でしょう.
参加希望者の御連絡をお待ちしています.
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