2020年4月7日

「父の名の閉出」とは 何か?

D'une question préliminaire à tout traitement possible de la psychose[精神病のあらゆる治療に前提的なひとつの問いについて]において提示された schéma I (Écrits, p.571).  P0 は,徴示素の宝庫としての 他 A の場所に口を開いた la forclusion du Nom-du-Père[父の名の閉出]の穴 — 穴としての le symbolique[徴示性]— であり,それに対して,Φ0 は,父の名の閉出によって不可能となった la signification phallique[ファロス意義]の穴 — その穴は,l'imaginaire[事象性]の領域に口を開いた「書かれないことをやめないもの」(不可能)としての le réel[実在性]の穴として描かれてある — である.中央の R は,穴のエッジにおいて「書かれることをやめないもの」(必然)としての le réel[実在性]を表わしており,それは 症状の実在性 である.



「父の名の閉出」とは 何か?


つまるところ,Lacan が la forclusion du Nom-du-Père[父の名の閉出]と呼ぶ事態は,如何なるものなのか?という質問が寄せられたので,改めて 精神分析の純粋基礎としての否定存在論 [ l'ontologie apophatique en tant que fondement pur de la psychanalyse ] の観点から その問いに取り組んでみよう.

否定存在論は,源初論的孔穴 [ le trou archéologique ] のトポロジーとして展開される.Heidegger にならって,それを「存在の歴史」[ die Geschichte des Seins ] として捉えるなら: 

1) 源初論的位相 [ la phase archéologique ] : ἐν ἀρχῇ[源初において]穴が口を開いていた;

2) 形而上学的位相 [ la phase métaphysique ] : 形而上学の始まりにおいて,その穴は Platon の ἰδέα による閉塞によって 源初排斥 [ Urverdrängung ] され,以後,一連の形而上学的な(イデア的な)形象が 穴を塞ぎ続ける.その形象は,形而上学的な存在論においては,「存在」[ das Sein ] と呼ばれる;

3) 終末論的位相 [ la phase eschatologique ] : Platon 以来の形而上学の歴史は,Nietzsche において「満了」[ Vollendung ] を迎え,以後,我々は,存在の歴史の「終末論的位相」を生きている.そこにおいては,「存在」による穴塞ぎの無効性があらわとなり,源初排斥されていた穴は,口を開いて,現れ出てこようとする.それゆえ,Heidegger は,穴を塞いできた「存在」[ das Sein, das Seyn ] を バツ印で抹消する:


それによって,我々は,源初論的孔穴を「存在 の穴」[ le trou de l'être ] または「否定存在論的孔穴」[ le trou apophatico-ontologique ] と呼ぶことになる.Lacan は,Heidegger の Sein にもとづいて,「抹消された主体」[ le sujet barré ] の学素 $ を考案する.

否定存在論的孔穴が 口を開いて 現出しようとしてくるとき,それは,強い不安 — 無の不安,死の不安,罪の不安,そして,Freud が「去勢不安」と呼んだ不安 — を惹起する.それゆえ,現出しようとする穴は,激しい抵抗と防御によって,再び塞がれ,あるいは,覆い隠される.しかし,源初論的な穴を 完全に塞いでしまうことも,完全に覆い隠してしまうことも,不可能である.

我々が 今 生きている 存在の歴史の終末論的位相は,現れ出でてこようとする穴に対する抵抗と防御の虚しい試みによって特徴づけられている.我々が「病理学的」と呼んでいるのは,それらの抵抗と防御の試みのことである.精神分析は,その終結において,我々が それらの抵抗と防御を放棄し,我々が 自身の Dasein[現場存在]を 存在 の穴の現出の「現場」[ das Da ]して 存在 に提供することを,可能にする.

さて,「父の名」(le Nom du Père) という表現は,カトリック教会において行われるミサの始めに司祭が発する言葉 : In nomine Patris et Filii et Spiritus Sancti (Au nom du Père et du Fils et du Saint-Esprit)[父と子と聖霊の御名によって]に由来している.

1955-1956 年に行われた Séminaire III Les psychoses[精神病]をもとにして 1957 年 12 月から 1958 年 1 月にかけて執筆された書 D'une question préliminaire à tout traitement possible de la psychose[精神病のあらゆる治療に前提的なひとつの問いについて]において,Lacan は「父の名」をこう定義している : 
le signifiant qui dans l'Autre, en tant que lieu du signifiant, est le signifiant de l'Autre en tant que lieu de la loi[徴示素の場所としての他 A のなかで,律法の場所としての他 A の徴示素であるところの徴示素](Écrits, p.583). 

すなわち,Lacan は,「他 A の場所」[ le lieu de l'Autre ] に二種類を区別している:ひとつは「徴示素の場所」としての他 A の場所;もうひとつは「律法の場所」としての他 A の場所.

「徴示素の場所」は,1960年の書『フロィト的無意識における 主体のくつがえし と 欲望の弁証法』においては「徴示素の宝庫」[ le trésor du signifiant ] とも呼ばれている.そして,徴示素の場所 ないし 徴示素の宝庫 としての 他 A とは「母」のことである (cf. Écrits, p.813). 

徴示素の場所としての他 A が母であるなら,それに対して,律法の場所としての他 A は,確かに,父である —「父の名」とは,律法の場所としての他 A の徴示素である,と定義されているように.

父は,母に対して「他」であり,律法の場所としての他 A は,徴示素の場所としての他 A に対して「他」である.Lacan の表現で言えば,父は 母の「他」であり,律法の場所としての他 A は,徴示素の場所としての他 A の 他 A (l'Autre de l'Autre) である.すなわち,「父の名」(le Nom-du-Père) は,「他の他」の徴示素 (le signifiant de l'Autre de l'Autre) である.

1953年のローマ講演においては「父の名」は le support de la fonction symbolique徴示性の機能の支え](Écrits, p.278) と規定されていた.それは,いかにも,人間が言語の構造に住まい得るために必要不可欠であるように見える.

1957-1958年の精神病に関する書においては,「父の名」は,la métaphore paternelle[父のメタフォール]のメカニズムによって,死的 [ thanatique ] な否定存在論的孔穴に「ファロスの欠如の穴」という性的 [ sexuel, érotique ] な意義 — それを Lacan は la signification du phallus[ファロスの意義]または la signification phallique[ファロス意義]と呼び,1958年の時点では それを形式化する学素を φ としているが,1960年の書『主体のくつがえし』においては その学素は ( − φ ) となる — を付与する機能を有するものと見なされている:



「父のメタフォール」の式において le désir de la mère[母の欲望]と呼ばれているのは,徴示素の宝庫としての 他 A の場所に口を開いた穴 — すなわち,否定存在論的孔穴 — のことである.それは,そのままでは,死の穴であり,無の穴であり,罪の穴であって,強い不安を惹起する穴である.父の名は,母の欲望としての否定存在論的孔穴を塞ぎ得る phallus patriarcal[家父長ファロス]Φ として,自身を措定する — まことには 否定存在論的孔穴は閉塞不可能である にもかかわらず.そして,それによって,否定存在論的孔穴に,ファロスの欠如の穴 ( − φ ) という 性的 [ sexuel, érotique ] な意義 — ファロス意義 — を付与し,否定存在論的孔穴を「家父長ファロス Φ によって閉塞可能な穴」と見せかける.それが,Freud が Ödipuskomplex と名づけたもののからくりである.

ところが,精神病に関する書から たった 2 年後,1960年の『主体のくつがえし』においては,Lacan は,「他の他」(律法の場所としての 他 A, 父の名としての 他 A)について,こう述べている:
il n'y a pas d'Autre de l'Autre. C'est en imposteur que se présente pour y suppléer, le Législateur (celui qui prétend ériger la Loi)[他の他は 無い.それを代補するために 立法者(「我れは律法を立てる者である」と称する者)が姿を現すとすれば,それは ペテン師としてである](Écrits, p.813) .

すなわち,1960年の書においては,徴示素の場所としての他 A — 母 — に対して他である他 A は無い,と否定されている.それは,このことを言っている :「母の欲望」の穴 — すなわち,母における phallus の欠如の穴,去勢の穴としての否定存在論的孔穴 — を本当に塞ぎ得るようなものは 何も無い;律法の場所としての他 A — すなわち,徴示素の場所としての他 A に対して他である他 A — の徴示素としての「父の名」は,ペテン師にすぎない.

1953年における「徴示性の機能の支えとしての父の名」から 1960年における「ペテン師としての父の名」へ : 1957-58年の精神病に関する書は,父の名の閉出によって開口する穴に注目していることにおいて,この〈父の名の概念の〉くつがえしの転換点を成している. 

実際,trou[穴]という語は,1957-1958年の精神病に関する書を読む際の key word である.たとえば:
La Verwerfung sera donc tenue par nous pour forclusion du signifiant. Au point où (...) est appelé le Nom-du-Père, peut donc répondre dans l'Autre un pur et simple trou, lequel par la carence de l'effet métaphorique provoquera un trou correspondant à la place de la signification phallique[したがって,我々は,Verwerfung(棄却)を,徴示素の閉出と見なす.つまり,そこにおいて父の名が呼ばれるところの点に対して,ひたすらひとつの穴が 他 A のなかで 答え得るだけである — その穴は,父のメタフォールの効果の欠如によって,ファロス意義の座に対応する穴を惹起することになる](Écrits, p.558).
Pour que la psychose se déclenche, il faut que le Nom-du-Père, verworfen, forclos, c'est-à-dire jamais venu à la place de l'Autre, y soit appelé en opposition symbolique au sujet. C'est le défaut du Nom-du-Père à cette place qui, par le trou qu'il ouvre dans le signifié amorce la cascade des remaniements du signifiant d'où procède le désastre croissant de l'imaginaire, jusqu'à ce que le niveau soit atteint où signifiant et signifié se stabilisent dans la métaphore délirante[精神病の発症のためには,このことが必要である : verwerfen された — 閉出 (forclore) された — すなわち,かつて一度も 他 A の座に 到来しなかった  父の名が,主体との徴示的な対置において,他 A の座において 呼ばれること.他 A の座における〈父の名の〉欠陥は,それが被徴示において開く穴によって,徴示素の再編成の連鎖反応を誘発し,そこから,悪化してゆく〈事象性の〉破局が生じ,そして,(最終的に)妄想的メタフォールにおいて 徴示素と被徴示と(の連関)が安定化する水準が達成されるに至る](ibid., p.577).

以上のように,精神病に関する 1957-1958 年の書において,「父の名」の閉出の穴は,トポロジックに明確に取り出された.では,その穴(否定存在論的孔穴)と それを塞ぐと見なされてきた徴示素「父の名」との関係は,まことには 如何なるものであるのか?その問いを,Lacan は,1958-1959 年の Séminaire VI『欲望 と その解釈』および 1959-1960 年の Séminaire VII『精神分析の倫理』を通じて,問い直して行く.Séminaire VI においては,Hamlet と 彼の父の亡霊(すなわち 超自我)との関係が 問われている.そして,Séminaire VII においては,欲望の昇華に関する問いが 問われている. 

そして,Lacan が到達した結論は:父の名の閉出の穴は,破壊不可能な欲望の穴そのものであり,その穴を塞ぎ得るものは 何も無い.その穴を塞ぎ得ると称する者は,ペテン師(『精神分析の倫理』において用いられた表現で言えば,knave すなわち canaille[ゲス:倫理的に最も卑劣な者])にすぎない.

次なる Lacan の問いは:では,「父の名」は 単なる仮象にすぎないのか?単なる仮象ではないような「父の名」は 如何なるものであり得るか?その問いから出発して,「父の名」は複数化されて行くことになる : les Noms-du-Père. この複数化された「父の名」について,Lacan は,1963-1964 年の Séminaire において 問うことを予定していた.しかし,周知のように,IPA からの「破門」にともない,Lacan は,Les Noms-du-Père の Séminaire を中止し,代わりに,1964 年,『精神分析の四つの基礎概念』について論ずることになる.

以後,複数化された「父の名」について論ずることは決してしない,と Lacan は ときおり 断言している(たとえば,Séminaire XIX の 1972年03月03日の講義,あるいは,Séminaire XXI の 1973年11月13日の講義).しかし,実は,Lacan は 複数化された「父の名」について しっかり論じている — 四つの言説における le signifiant maître[支配者徴示素]S1 として.


支配者徴示素 S1 は,「父の名」の学素である.四つの言説においては,S1 は四つの座に配置され得る.つまり,その位置する座に応じて,四種類の S1 があり,すなわち,四つの「父の名」がある.

1957-1958 年の 精神病に関する書において論ぜられていた「父の名」は,大学の言説における支配者徴示素 S1 に相当する.


大学の言説の構造において,「父の名」は,否定存在論的孔穴を閉塞し得る 支配者徴示素 S1 として,真理の座(黄)に措定されている.


その S1 は,「性関係」を可能にするものとして想定される le phallus patriarcal[家父長ファロス]Φ でもある.

しかし,「性関係は無い」のであり,「父の名」は仮象にすぎない.精神分析の経験は,そのような「父の名」を「書かれないことをやめない」ものの座(右下の「生産の座」)へ閉出し,分析家の言説の構造への移行を可能にする:


では,そのとき,如何にして 精神病の発症は起こらないで済むのか?

先に,精神病の症状は 如何なるものであるか を見ておこう.


精神病の症状は,基本的に言って,ふたつの要素から成っている:ひとつは,Wahnbedeutung[妄想意義]; もうひとつは automatisme mental[精神自動症,すなわち,幻聴].Schizophrenie においては,それらふたつの要素は 多かれ少なかれ 混在している.Paranoia は,もっぱら Wahnbedeutung のみから成っており,automatisme mental の現象を欠いている.

Wahnbedeutung は,閉出された父の名の代わりに,代償的に措定される 支配者徴示素 S1 である.automatisme mental は,父の名の閉出によって口を開いた否定存在論的孔穴のエッジにおいて反応的に増殖する客体 a の現象である.

ついでながら,以上の観点から見直すなら,この記事の冒頭に提示した schéma I は,メビウスの帯のエッジを表わしていることが 見て取れる:


Schreber の精神病の構造を表わすこの schéma I において,右側の le symbolique の領域 と 左側の l'imaginaire の領域は,ともに,父の名の閉出の穴に還元される.中央の le réel — 書かれることをやめないもの(必然)としての実在性 — の領域は,客体 a に相当し,すなわち,メビウスの帯のエッジに相当する.この図には,書かれないことをやめないもの(不可能)としての実在性の領域 — そこには,主体 $ が位置づけられる  は,示されていない.

話を戻すと,父の名の閉出は,精神病者においては,Wahnbedeutung S1 の代償的な措定 と automatisme mental a の反応的な増殖をもたらすが,精神分析の経験においては,大学の言説から分析家の言説への構造転換をもたらす.それが可能であるのは,昇華された欲望としての分析家の欲望 $ による支えのおかげである.

周知のように,精神分析の経験の最中に 精神病が発症することがある(元来,borderline case という名称は そのような場合のことを指していた).そのような望ましくない事態が生ずるのは,父の名の閉出にともなう大学の言説から分析家の言説への構造転換を可能にする分析家の欲望の支えが しかるべく機能しないからである.その場合,Wahnbedeutung S1 の代償的な措定 と automatisme mental a の反応的な増殖とを 招いてしまうことになる.

2020年3月21日

ヘビのスケッチ

William Blake (1757-1827), Eve Tempted by the Serpent (1799-1800)

1960年の書『フロィト的無意識における 主体のくつがえし と 欲望の弁証法』において,Lacan は,問い「我れとは 何であるか?」に対して,この謎めいた答えを与えている (Écrits, p.819) :

我れは,そこからこの怒声が発せられるところの座に存在する :「宇宙は 非存在の純粋性における ひとつの欠陥である」.
そして,それは,ゆえなきことではない.そも,その座は,自身を明け渡さないことによって,存在そのものの生気を失わせる.その座は,悦と呼ばれる.そして,悦が欠けるなら,宇宙は虚しくなるだろう.

「宇宙は 非存在の純粋性における ひとつの欠陥である」は,Paul Valéry の詩『ヘビのスケッチ』(Ébauche d'un serpent : 1921) からの 若干 変更された 引用である.

詩集『魅力』に収録されているその詩は,若干 長いが,最後まで読むに値する :「おまえを巨大なものにするあの渇望が 不可思議な〈無の〉全能を 存在へまで 高めれば !」



ヘビのスケッチ


わたし[サタン]は 毒ヘビの姿をまとい 
枝の間で 微風に 揺られる;
[わたしの鋭い]牙は[わたしの]微笑みを 貫き
[わたしの微笑みを]欲望で 輝かす
[微笑みをうかべて わたしは]エデンの園を おかまいなしに うろつく
わたしの頭は エメラルド色の 三角形[を成し]
ふたつに分かれた舌を 延べる...
わたしは 畜生[愚か者]だが,鋭い畜生[聡い愚か者]だ
わたしの毒は 卑しいが
賢いトリカブトを はるかにしのぐ ! 


甘美なるかな この快楽の季節 !
おののけ 死すべき者らよ !
いつか バネをも砕くほどに たっぷりと 大口を開けるとき
わたしは とても 強い !
すばらしい青空は
わたしが変装している このオロチを
動物的な単純さで 研ぎ澄ます;
わたしのところに来るがよい 軽薄な者どもよ !
わたしは 運命の必然性のように
抜かりなく 待ちかまえている ! 


太陽 太陽 !... 光輝く罪[明らかな過ち]!
青き空のしたに
花々が会議を開く 黄金色のテントのしたに
太陽よ おまえは 死を覆い隠す;
わたしの共謀者のうちで 最も気高き者よ
わたしの罠のうちで 最も高きところにいる者よ
おまえは 不可思議な悦楽によって
[人の]心が[このことを]識るのを 防ぐ:
[すなわち]宇宙は 非存在の純粋性における
ひとつの欠陥にすぎない
ということを ! 


偉大な太陽よ おまえは 存在に 目覚ましを鳴らし
火をもって 存在に寄り添う
おまえは 存在をだますために
のどかな光景で彩られた眠り[夢]で 存在を閉じ込める
おまえは 喜ばしき幻影を 煽る者
それ[幻影]は 闇にひそむ魂の現在を
視覚に従属するものにしてしまう
おお 炎から成る〈亡者の国の〉王よ
絶対者について おまえが広げる嘘は
常に わたしを喜ばせる ! 


おまえの素のままの熱を わたしに注いでくれ
その熱のなかで わたしの凍りついた怠惰は
絡まったわたしの性[さが]のままに
何か不幸を 夢想する...
肉[なる人間たち]が 墜落し 結合するのを見た
この魅力的な場所は わたしにとって とても愛おしい !
わたしの怒りは ここで 熟れる;
わたしは それに助言を与え それを調理しなおし
わたしは 自分の声に耳を傾ける
そして わたしの省察は 循環しながら つぶやく... 


おお 虚無 ! 第一原因 !
天において支配する者[神]は
「光あれ」と声を発して
空間的な宇宙を開いた.
そして 純粋観覧にあきたかのように
神は みづから
神の完璧な永遠性を 妨げとして 打ち破った;
神は[受肉して]人 [ Jesus Christ ] となり
彼は 神の原理を 帰結へ解消し
神の「一[いち]なること」を 星々へ解消する. 


天は 神の誤り ! 時は 神の没落 !
そして 動物的な深淵が 口を開く !...
いかなる墜落が 源初において
きらめいていることか — 無の代わりに !...
だが,神のロゴスの最初の言葉
我れは !... 愚かな創造主が語った星々のなかで
最もすばらしいもの
我れは 存在する !... 我れは 存在するだろう !... 我れは
誘惑者の火すべてをもって
神の減弱を照らす ! 


わが憎しみの 輝かしい対象よ
あなたを わたしは 狂おしく愛した
あなたは この[あなたを]愛する者に
地獄の支配権を与えるべきだった
わたしの闇のなかの あなた自身を まなざしたまえ !
わたしの暗い鏡の誇り
あなたの陰欝な似姿を前にして
あなたの不快感は とても深かったので
土[で造られた人間]へ吹きかける あなたの息吹は
絶望のため息だった ! 


あなたは 虚しく 泥のなかで
容易な[誘惑に陥りやすい]子どもたちを 捏ねた
彼れらは あなたのわざの大成功のゆえに
ひねもす あなたをたたえた !
あなたが 彼れらを捏ね 彼れらに息吹を吹き込むや
ヘビさまは 彼れらを 口笛で呼び寄せた
彼れら:あなたが創造した美しい子どもたちを !
やあ,新入りたち ! と ヘビさまは言う
きみたち人間は すっぱだかだ
おめでたい 白い けものたちよ ! 


きみたちは いとわしい[神の]似姿に
造られた だから わたしは きみたちを憎む !
かくも多くの不完全な奇跡を
創造する名[神の名]を 憎んでいるのと同様に !
わたしは[神の創造に]修正を加える者だ
わたしは 神の名に信頼する心に
確信的 かつ 神秘的な 指で 手直しを加える !...
我々は 変えるのだ
それらの軟弱な作品たちと それらの曖昧なヘビたちを
獰猛な爬虫類に ! 


わたしの計り知れない知性は 
人間たちの魂のなかに
わが復讐の楽器を 得て 奏でる
それを組み立てたのは あなた自身の手だ !
そして 父なる神である あなたは
星のちりばめられた部屋のなかに 隠れて
香の煙をしか受けつけないが
とはいえ 溢れるほどの わたしの魅力は
全能なるあなたのもくろみを
遠く[地上]から鳴り響く警報で 邪魔することが できるだろう ! 


わたしは きよい心のなかへ
行き 来て 滑り込み もぐり込み 姿を消す !
いまだかつて あっただろうか
夢ひとつさえ宿り得ぬほどに かたい胸など !
おまえが誰であれ わたしは
おまえの魂がうぬぼれるとき
おまえの魂のなかに兆してくる あの自己満足ではないか ?
おまえの魂の自己愛の奥底で わたしは
おまえが おまえ自身にしか見出さない
あの一種独特の味わいだ ! 


エヴァ — その昔 わたしは 彼女を 不意に捕えた
はじめて思考にふける彼女を
バラのゆりかごに生まれた息吹に
彼女の唇は なかば開かれていた.
あの完璧な女は わたしに姿を現した
太陽をも 男をも 恐れることなく
広々とした腹は くまなく 金色に 照らされていた;
大気のまなざしへ すべて ささげられて
彼女の魂は まだ愚かで あたかも 肉体の閾のところで
外に出ることを禁ぜられているかのようだった 


おお 至福の塊よ
おまえは かくも美しい ! まさに
善良な精神たちと最良の精神たち すべての
気を惹くに値する !
彼らがおまえの唇にほれこむには
おまえがため息をつくだけで十分だ !
最もきよい者らも おまえに惹かれて 最悪の者らとなり
最もかたい者らも 最も傷ついた者らとなる
吸血鬼たちを支配する わたしをさえ
おまえは やわらげる ! 


そうとも ! 葉陰の見張り席から
わたし — 小鳥のように恍惚とした爬虫類 — は
わたしのさえずり[おしゃべり]が
悪巧みの網を編んでいる間も
おまえを見つめていた ! おお 聞き分けのない
静かな 澄んだ 魅惑に満ちた 美しい女よ !
わたしは こっそりと
おまえの髪の燃えるような金色に目を注ぎつつ
おまえの謎めいたうなじを 支配していた
おまえの動きの秘密を湛える あのうなじを ! 


わたしは そこに存在していた
においのように
観念 — 罠のように待ちかまえる その深みは
解明され得ない — の香りのように !
そして うぶな女よ わたしは おまえを
おどすことなく 不安にさせていた
おお 栄華へよろめくことを
軟弱に決意した肉体よ !
賭けてもよい まもなく わたしは おまえを手に入れる
おまえのニュアンスは すでに 変化しつつある ! 


(彼女のみごとな単純さは
おおいに尊敬に値する !
彼女のまなざしの透明さ
愚かさ 自尊心 幸福 は
あの美しい都[エヴァ自身]を よく守っている !
彼女に対して 偶然を作りださねばならない
しかも 技法のうちでも 最も希な あの技法によって
すなわち きよい心を誘惑して;
それが わが強み それが わが極み
わたしにとって わが目的の手段!) 


さて 目もくらむほど魅力的な毒液で
軽いシステムを紡ぎだそう
暇をもてあました甘美なエヴァは
そのなかで 漠たる危険に はまりこむ !
青空だけになじんだ
あの獲物の肌は
絹の重みのしたで いかにおののくことか !...
だが わたし流儀のたくらみ[横糸]よりも
より繊細な薄絹[うすぎぬ]は無く
より不可視にして確実な糸は無い ! 


舌よ 彼女のために 黄金色に飾り立てろ !
おまえの知る 最もこころよい甘言を !
暗示に 寓話に 繊細さ
刻みつけた無数の沈黙
彼女を害するものすべてを使え:
彼女をおだてるものだけを
彼女がわたしのもくろみのなかで身を滅ぼすようにするものだけを
天から落ちてくる小川を
青い水たまりの深淵へ
至らしむ あの傾きに 従順に ! 


おお いかなる 無比無類なる散文を
どれほどのエスプリを わたしは
あのすてきな耳の 産毛のはえた迷路のなかに
投げ込まなかっただろうか !
わたしは思った — 判断を停止した心に対しては
無駄なものは何もなく あらゆるものが有効だ !
勝利は確実だ ! もし
わたしの言葉 — 魂の強迫的な宝物 — が
ミツバチが花から離れないように
黄金色の耳から もはや離れることがないならば ! 


わたしは彼女にささやいた :「エヴァよ
神の言葉ほど 不確かなものはない !
生き生きとした知識は
この 途轍もない 熟れたくだものを 破壊する !
[わたしが]ちょっと噛むだけで[わたしのことを]呪う
あの 老いた きよい存在の言うことを 聴くな !
エヴァよ もし おまえの口が
樹液のことを思う あの渇きを
なかば未来の あの悦楽を 夢想するなら
それは とろけるような永遠だ !」 


ふしぎな作品を作り上げる
わたしの小さな言葉を 彼女は飲んだ;
彼女の目は ときどき 天使を見失っては
わたしの枝に 戻ってきた.
おお 悪を孕んだ うわきな女よ
おまえがかくも頑固であることをからかう
わたし — 動物たちのうちで 最も狡猾な者 — は
緑の葉陰のなかの ひとつの声にすぎない.
— だが,その声を 枝のしたで 聴く
エヴァは 真剣だった ! 


わたしは言った :「魂よ
あらゆる禁ぜられた恍惚の 甘美なる住まいよ
わたしが 父なる神から 盗んできた
この曲がりくねった愛を おまえは感ずるか ?
わたしは 有している
蜜よりも甘い目的のために
繊細にあつらえられた あの天の本質を...
このくだものを取るがよい... おまえの腕をのばせ !
おまえが欲するものを摘み取るために
おまえの美しい手は おまえに与えられたのだ !」 


まばたくまつげの なんという静けさ !
だが 樹が木陰によって噛む
暗い乳房のしたには なんという息吹 !
他方の乳房は めしべのように輝いていた !
— それは わたしに歌った ! 吹け 吹け 口笛を !
そのとき わたしは 感じた
わたしの敏感な長い鞭が有する 多数のしわ
— それらを わたしは持てあます — が おののくのを:
それらは わたしのエメラルド色の頭頂から
危険[な わたしの 尾]の端に至るまで 走った ! 


おお 天才とは 長き不忍耐なり !
やっと到来した
新たな知への一歩が
彼女の裸足から 噴出するときが !
大理石は 息をのみ 黄金は のけぞる !
このブロンドの〈影と琥珀の〉いしずえは
動きのまぎわで ふるえている !...
彼女 — 大きな壺 — は よろめく
一見 無口に見える彼女の同意は
そこから逃げ出そうとする ! 


親愛なる身体よ おまえが自身に提示する
快の誘惑に 屈するがよい !
おまえの〈変身への〉渇望が
死をもたらす樹のまわりに
ポーズの連鎖を生み出すがよい !
歩みの形よ 曖昧に 来るともなく来るがよい
あたかも足取りが薔薇で重いかのように...
踊れ 親愛なる身体よ... 考えるな !
ここでは 悦楽は
ものごとの成り行きの 十分原因だ !... 


おお この かくも生き生きとした背を有する
高い きよい樹が 不服従に わななくのを 見る という
不毛な悦を わたしは なんと 狂わしく
わたし自身に与えようとしていたことか !...
すでに 知恵と錯覚の
本質を提供しつつ
知識の樹 全体 は
まぼろしに 髪をふり乱しつつ
自身の身体を — 陽光に浸り 夢をすする
大きな身体を — 揺すっていた ! 


樹よ 偉大な樹よ 天の影よ
あらがいがたい〈樹々のなかの〉樹よ
おまえは 大理石の弱さのなかに
美味なる汁を追い求める
おまえは あのような迷路を はやしめぐらし
それによって抱きしめられた闇は
サフィールのように青い
永遠なる朝のなかに 滅びる
甘美なる喪失 香り ゼフィール
あるいは 運命づけられたハト 


おお おまえは 歌い
最も深く隠された宝石から ひそかに汁を飲み
エヴァを夢想へ投げ込んだ
夢見る爬虫類を ゆりかごのなかで揺する
知に揺れる偉大な存在よ
おまえは 常に よりよく見るために
おまえの頂の呼びかけに応えて より大きくなる
おまえは いと きよき 黄金色のなかへ
おまえのかたい腕を おまえのけむる枝を さしのべる
他方で 深淵へ向かって 掘り進みつつ 


おまえは 無限を — 無限は おまえの成長によって
つくられたにほかならない — おしやることができる
そして おまえは 墓から巣にいたるまでの
あらゆる知識を有している と感ずる !
だが この年老いたチェス好き[ヘビ]は
おまえの枝のうえで
乾いた陽光の怠惰な金色を浴びて とぐろを巻く;
その目は おまえの宝物を おののかせる.
そこから 死と絶望と混乱の果実が
落ちてゆくだろう ! 


わたしは 青空のなかで揺れる 美しいヘビ
わたしは 繊細に 口笛を吹く
わが悲哀の勝利を
神の栄光にささげつつ...
わたしには 虚空に揺れる
苦い果実の大きな希望が
泥からつくられた子どもたちを 狂乱させれば 十分だ...
— おまえを巨大なものにするあの渇望が
不可思議な〈無の〉全能を
存在へまで 高めれば ! 


ÉBAUCHE D’UN SERPENT


Dans son écrit Subversion du sujet et dialectique du désir dans l'inconscient freudien (1960), Lacan donne à la question : « Que suis-Je ? », cette réponse énigmatique (Écrits, p.819) :


Je suis à la place d'où se vocifère que « l'univers est un défaut dans la pureté du Non-Être ».

Et ceci non pas sans raison, car à se garder, cette place fait languir l'Être lui-même. Elle s'appelle la Jouissance, et c'est elle dont le défaut rendrait vain l'univers.


La phrase entre guillemets : « l'univers est un défaut dans la pureté du Non-Être » est une citation un peu modifiée des deux vers du poème de Paul Valéry intitulé Ébauche d'un serpent (1921) et recueilli dans les Charmes

Ce poème, quoique assez long, mérite d'être lu jusqu'à son dernier mot : « Néant ! ».

邦訳



ÉBAUCHE D’UN SERPENT


de Paul Valéry

à Henri Ghéon


Parmi l’arbre, la brise berce
La vipère que je vêtis ;
Un sourire, que la dent perce
Et qu’elle éclaire d’appétits,
Sur le Jardin se risque et rôde,
Et mon triangle d’émeraude
Tire sa langue à double fil…
Bête je suis, mais bête aiguë,
De qui le venin quoique vil
Laisse loin la sage ciguë !

Suave est ce temps de plaisance !
Tremblez, mortels ! Je suis bien fort
Quand jamais à ma suffisance,
Je bâille à briser le ressort !
La splendeur de l’azur aiguise
Cette guivre qui me déguise
D’animale simplicité ;
Venez à moi, race étourdie !
Je suis debout et dégourdie,
Pareille à la nécessité !

Soleil, soleil !… Faute éclatante !
Toi qui masques la mort, Soleil,
Sous l’azur et l’or d’une tente
Où les fleurs tiennent leur conseil ;
Par d’impénétrables délices,
Toi, le plus fier de mes complices,
Et de mes pièges le plus haut,
Tu gardes le cœur de connaître
Que l’univers n’est qu’un défaut
Dans la pureté du Non-être !

Grand Soleil, qui sonnes l’éveil
À l’être, et de feux l’accompagnes,
Toi qui l’enfermes d’un sommeil
Trompeusement peint de campagnes,
Fauteur des fantômes joyeux
Qui rendent sujette des yeux
La présence obscure de l’âme,
Toujours le mensonge m’a plu
Que tu répands sur l’absolu,
Ô roi des ombres fait de flamme !

Verse-moi ta brute chaleur,
Où vient ma paresse glacée
Rêvasser de quelque malheur
Selon ma nature enlacée…
Ce lieu charmant qui vit la chair
Choir et se joindre m’est très cher !
Ma fureur, ici, se fait mûre ;
Je la conseille et la recuis,
Je m’écoute, et dans mes circuits,
Ma méditation murmure…

Ô Vanité ! Cause Première !
Celui qui règne dans les Cieux,
D’une voix qui fut la lumière
Ouvrit l’univers spacieux.
Comme las de son pur spectacle,
Dieu lui-même a rompu l’obstacle
De sa parfaite éternité ;
Il se fit Celui qui dissipe
En conséquences, son Principe,
En étoiles, son Unité.

Cieux, son erreur ! Temps, sa ruine !
Et l’abîme animal, béant !…
Quelle chute dans l’origine
Étincelle au lieu de néant !…
Mais, le premier mot de son Verbe,
MOI !… Des astres le plus superbe
Qu’ait parlés le fou créateur,
Je suis !… Je serai !… J’illumine
La diminution divine
De tous les feux du Séducteur !

Objet radieux de ma haine,
Vous que j’aimais éperdument,
Vous qui dûtes de la géhenne
Donner l’empire à cet amant,
Regardez-vous dans ma ténèbre !
Devant votre image funèbre,
Orgueil de mon sombre miroir,
Si profond fut votre malaise
Que votre souffle sur la glaise
Fut un soupir de désespoir !

En vain, Vous avez, dans la fange,
Pétri de faciles enfants,
Qui de Vos actes triomphants
Tout le jour Vous fissent louange !
Sitôt pétris, sitôt soufflés,
Maître Serpent les a sifflés,
Les beaux enfants que Vous créâtes !
Holà ! dit-il, nouveaux venus !
Vous êtes des hommes tout nus,
Ô bêtes blanches et béates !

À la ressemblance exécrée,
Vous fûtes faits, et je vous hais !
Comme je hais le Nom qui crée
Tant de prodiges imparfaits !
Je suis Celui qui modifie,
Je retouche au cœur qui s’y fie,
D’un doigt sûr et mystérieux !…
Nous changerons ces molles œuvres,
Et ces évasives couleuvres
En des reptiles furieux !

Mon Innombrable Intelligence
Touche dans l’âme des humains
Un instrument de ma vengeance
Qui fut assemblé de tes mains !
Et ta Paternité voilée,
Quoique, dans sa chambre étoilée,
Elle n’accueille que l’encens,
Toutefois l’excès de mes charmes
Pourra de lointaines alarmes
Troubler ses desseins tout-puissants !

Je vais, je viens, je glisse, plonge,
Je disparais dans un cœur pur !
Fut-il jamais de sein si dur
Qu’on n’y puisse loger un songe !
Qui que tu sois, ne suis-je point
Cette complaisance qui poind
Dans ton âme lorsqu’elle s’aime ?
Je suis au fond de sa faveur
Cette inimitable saveur
Que tu ne trouves qu’à toi-même !

Ève, jadis, je la surpris,
Parmi ses premières pensées,
La lèvre entr’ouverte aux esprits
Qui naissaient des roses bercés.
Cette parfaite m’apparut,
Son flanc vaste et d’or parcouru
Ne craignant le soleil ni l’homme ;
Tout offerte aux regards de l’air
L’âme encore stupide, et comme
Interdite au seuil de la chair.

Ô masse de béatitude,
Tu es si belle, juste prix
De la toute sollicitude
Des bons et des meilleurs esprits !
Pour qu’à tes lèvres ils soient pris
Il leur suffit que tu soupires !
Les plus purs s’y penchent les pires,
Les plus durs sont les plus meurtris…
Jusques à moi, tu m’attendris,
De qui relèvent les vampires !

Oui ! De mon poste de feuillage
Reptile aux extases d’oiseau,
Cependant que mon babillage
Tissait de ruses le réseau,
Je te buvais, ô belle sourde !
Calme, claire, de charmes lourde,
Je dominais furtivement,
L’œil dans l’or ardent de ta laine,
Ta nuque énigmatique et pleine
Des secrets de ton mouvement !

J’étais présent comme une odeur,
Comme l’arôme d’une idée
Dont ne puisse être élucidée
L’insidieuse profondeur !
Et je t’inquiétais, candeur,
Ô chair mollement décidée,
Sans que je t’eusse intimidée,
À chanceler dans la splendeur !
Bientôt, je t’aurai, je parie,
Déjà ta nuance varie !

(La superbe simplicité
Demande d’immense égards !
Sa transparence de regards,
Sottise, orgueil, félicité,
Gardent bien la belle cité !
Sachons lui créer des hasards,
Et par ce plus rare des arts,
Soit le cœur pur sollicité ;
C’est là mon fort, c’est là mon fin,
À moi les moyens de ma fin !)

Or, d’une éblouissante bave,
Filons les systèmes légers
Où l’oisive et l’Ève suave
S’engage en de vagues dangers !
Que sous une charge de soie
Tremble la peau de cette proie
Accoutumée au seul azur !…
Mais de gaze point de subtile,
Ni de fil invisible et sûr,
Plus qu’une trame de mon style !

Dore, langue ! dore-lui les
Plus doux des dits que tu connaisses !
Allusions, fables, finesses,
Mille silences ciselés,
Use de tout ce qui lui nuise :
Rien qui ne flatte et ne l’induise
À se perdre dans mes desseins,
Docile à ces pentes qui rendent
Aux profondeurs des bleus bassins
Les ruisseaux qui des cieux descendent !

Ô quelle prose non pareille,
Que d’esprit n’ai-je pas jeté
Dans le dédale duveté
De cette merveilleuse oreille !
Là, pensais-je, rien de perdu ;
Tout profite au cœur suspendu !
Sûr triomphe ! si ma parole,
De l’âme obsédant le trésor,
Comme une abeille une corolle
Ne quitte plus l’oreille d’or !

« Rien, lui soufflais-je, n’est moins sûr
Que la parole divine, Ève !
Une science vive crève
L’énormité de ce fruit mûr !
N’écoute l’Être vieil et pur
Qui maudit la morsure brève !
Que si ta bouche fait un rêve,
Cette soif qui songe à la sève,
Ce délice à demi futur,
C’est l’éternité fondante, Ève ! »

Elle buvait mes petits mots
Qui bâtissaient une œuvre étrange ;
Son œil, parfois, perdait un ange
Pour revenir à mes rameaux.
Le plus rusé des animaux
Qui te raille d’être si dure,
Ô perfide et grosse de maux,
N’est qu’une voix dans la verdure.
— Mais sérieuse l’Ève était
Qui sous la branche l’écoutait !

« Âme, disais-je, doux séjour
De toute extase prohibée,
Sens-tu la sinueuse amour
Que j’ai du Père dérobée ?
Je l’ai, cette essence du Ciel,
À des fins plus douces que miel
Délicatement ordonnée…
Prends de ce fruit… Dresse ton bras !
Pour cueillir ce que tu voudras
Ta belle main te fut donnée ! »

Quel silence battu d’un cil !
Mais quel souffle sous le sein sombre
Que mordait l’Arbre de son ombre !
L’autre brillait, comme un pistil !
Siffle, siffle ! me chantait-il !
Et je sentais frémir le nombre,
Tout le long de mon fouet subtil,
De ces replis dont je m’encombre :
Ils roulaient depuis le béryl
De ma crête, jusqu’au péril !

Génie ! Ô longue impatience !
À la fin, les temps sont venus,
Qu’un pas vers la neuve Science
Va donc jaillir de ces pieds nus !
Le marbre aspire, l’or se cambre !
Ces blondes bases d’ombre et d’ambre
Tremblent au bord du mouvement !…
Elle chancelle, la grande urne,
D’où va fuir le consentement
De l’apparente taciturne !

Du plaisir que tu te proposes
Cède, cher corps, cède aux appâts !
Que ta soif de métamorphoses
Autour de l’Arbre du Trépas
Engendre une chaîne de poses !
Viens sans venir ! forme des pas
Vaguement comme lourds de roses…
Danse cher corps… Ne pense pas !
Ici les délices sont causes
Suffisantes au cours des choses !…

Ô follement que je m’offrais
Cette infertile jouissance :
Voir le long pur d’un dos si frais
Frémir la désobéissance !…
Déjà délivrant son essence
De sagesse et d’illusions,
Tout l’Arbre de la Connaissance
Échevelé de visions,
Agitait son grand corps qui plonge
Au soleil, et suce le songe !

Arbre, grand Arbre, Ombre des Cieux,
Irrésistible Arbre des arbres,
Qui dans les faiblesses des marbres,
Poursuis des sucs délicieux,
Toi qui pousses tels labyrinthes
Par qui les ténèbres étreintes
S’iront perdre dans le saphir
De l’éternelle matinée,
Douce perte, arôme ou zéphir,
Ou colombe prédestinée,

Ô Chanteur, ô secret buveur
Des plus profondes pierreries,
Berceau du reptile rêveur
Qui jeta l’Ève en rêveries,
Grand Être agité de savoir,
Qui toujours, comme pour mieux voir,
Grandis à l’appel de ta cime,
Toi qui dans l’or très pur promeus
Tes bras durs, tes rameaux fumeux,
D’autre part, creusant vers l’abîme,

Tu peux repousser l’infini
Qui n’est fait que de ta croissance,
Et de la tombe jusqu’au nid
Te sentir toute Connaissance !
Mais ce vieil amateur d’échecs,
Dans l’or oisif des soleils secs,
Sur ton branchage vient se tordre ;
Ses yeux font frémir ton trésor.
Il en cherra des fruits de mort,
De désespoir et de désordre !

Beau serpent, bercé dans le bleu,
Je siffle, avec délicatesse,
Offrant à la gloire de Dieu
Le triomphe de ma tristesse…
Il me suffit que dans les airs,
L’immense espoir de fruits amers
Affole les fils de la fange…
— Cette soif qui te fit géant,
Jusqu’à l’Être exalte l’étrange
Toute-Puissance du Néant !