東京ラカン塾 2018年 夏期特別講義
‒ Séminaire XI『精神分析の四つの基礎概念』再読
Lacan 入門書として定評のある Séminaire XI『精神分析の四つの基礎概念』を初学者のために再び取り上げ,新たに否定存在論的観点からその読解と解説を試みます.日程は次のとおり:
第 1 回:7月06日(金曜日)19:30 - 21:30
文京区民センター 2 階 C 会議室
第 2 回:7月13日(金曜日)19:30 - 21:30
文京区民センター 3 階 D 会議室
第 3 回:7月20日(金曜日)19:30 - 21:30
文京区民センター 2 階 C 会議室
第 4 回:7月27日(金曜日)19:30 - 21:30
文京区民センター 2 階 B 会議室
会場:文京区民センター(所在地:文京区 本郷 4-15-14)
もし必要があれば,8月03日の同じ時間帯に,文京区民センターまたは文京シビックセンター内の会議室のいずれかにおいて,第 5 回を行います.(追記 : 8月03日に 第 5 回 を行います.詳細については,こちらを参照).
参加費は無料,事前の申込も不要です.当日,会場に直接来て下さい.毎回部屋が異なりますので,留意してください.
Séminaire XI の構成は次のとおりです:
第 I 章 : 破門
第 1 部 (II - V) : 無意識と反復
第 2 部 (VI - IX) : 客体 a としてのまなざしについて
第 3 部 (X - XV) : 転移と本能
第 4 部 (XVI - XIX) : 他の場,および,転移に関する再論
第 XX 章 : あなたのなかに,あなた以上のものが
後書
以上のように,おおまかに言って,四部から成っていますので,各部を一回の講義で説明すれば,四回の講義で Séminaire XI 全部を解説することができます.もし不十分なら,8月03日に五回目を付け足します.
なぜ Séminaire XI は記念碑的なのか? ‒ その背景を説明しておきましょう.
Lacan は,1963年の夏休みの前までは,Société française de psychanalyse において,精神分析家養成のための教育活動として,彼の Séminaire を行っていました.その聴衆は,もっぱら,精神分析家,および,精神分析家になるために Lacan から教育分析を受けている精神科医または clinical psychologist たちでした.
しかし,1963年11月,International Psychoanalytical Association が Lacan を「異端」として排除することを決定したのを受けて,Lacan は,1964年,独自の精神分析家養成機関 Ecole freudienne de Paris を設立するとともに,彼の Séminaire の場所を新たに Ecole normale supérieure (ENS) の講堂に得ます.
そのため,Séminaire XI 以降,ENS の学生,人文系の研究者,哲学者,文学者,等々,教育分析を受けている者でも精神分析家でもない聴衆が,とても多くなります.
そのような聴衆 ‒ 特に,精神分析に初めて接する若い人々 ‒ のために,Lacan は,Séminaire XI において,改めて Freud のテクストに立ち戻り,「初歩的」とも見える解説を加えます.
「Séminaire XI は,最良のラカン入門書だ」と昔から評価されているのは,それがゆえにです.
この夏期特別講義は,Lacan の全体像を短期間に把握する好い機会となるでしょう.
小笠原晋也
小笠原晋也
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