2015年1月27日

藤田博史氏は,ラカンに関して事実に反することを発言し続ける

藤田博史氏の 127日の Facebook での発言:

L’Éthique de la psychanalyse は Lacan の強い意思により,生前に出版される事はありませんでした.部分修正などではなく出版しないという決断であることが重要なのです.つまりすべてをお蔵入りにさせたのです.しかし Miller がその意思に反して出版してしまった.それが我々の手元にある Miller 版の L’Éthique です.」


Jacques Lacan, Séminaire XX Encore, p.50, 1973年02月13日の講義より引用:

[精神分析の倫理のセミネールにおいて]倫理についてわたしが言ったことの速記録にもとづいて書かれたもの,タイプされたものは,当時,わたしを国際精神分析協会の注目の的にしようとしていた者たち[Lacan を排除したいと思っていた分析家たち]にとっておおいに利用価値のあるものになるとわたしには思われた.結果は周知のとおりである.彼らは,ともあれ,精神分析が有する倫理的なことがらについてのわたしの考察は沈没してしまわぬよう望んでいた.わたしはぽしゃり,『精神分析の倫理』は水面に浮かんだまま そうなればしめたもんだ,と彼らは思っていた.取らぬ狸の皮算用の一例である.[なぜなら]その『精神分析の倫理』の出版をわたしは阻止したから.わたしはそれを拒否した.わたしを欲しない人々を説得しようとは思わないがゆえに.

説得 [ convaincre ] してはいけない.精神分析の特質,それは,説き伏せ [ vaincre ] ないことだ 相手がバカ [ con ] であろうとなかろうと.

ともあれ,それ[精神分析の倫理のセミネール]は,つまるところ,非常に出来の良いセミネールである.

先ほど言及した皮算用には加わっていなかったある者 [ Mustapha Safouan ] が,当時,何の下心も無く,心をこめてテクストを作ってくれた.[精神分析の倫理のセミネールを]一冊の書にしてくれたのだ.[ただし]それは彼の著書である.勿論,彼は,それを自分のものにしようとは夢にも思わなかった.もしわたしが欲したなら,彼はそれをそのまま出しただろう.[だが]わたしは欲しなかった.

それ[精神分析の倫理のセミネール]は,多分,今日,すべてのセミネールのなかで,わたしがみづから書き直して,ひとつの書にしたい思っている唯一のものである.とにかく,何か一篇書かねばならない.そのセミネールを選ばない理由は無い.

0 件のコメント:

コメントを投稿